家族や知人が逮捕された! 面会や差し入れをするには?(弁護士 馬淵未来)
〜警察署・東京拘置所での面会や差し入れ〜
家族や知人が逮捕されてしまい、警察署や拘置所にいるとき、面会や差し入れはどのようにしたら良いのか、お困りのこともあると思います。
警察署や拘置所での面会・差し入れの方法について、実際に職員に聞いて確認したことや掲示を元にまとめました。※2021年3月19日時点の情報に基づいています。
なお、弁護人及び弁護人になろうとする者以外の一般の方が警察署や拘置所で面会をすることを、「一般面会」と言います。
一般の方が面会・差し入れをする場合には、日にちや時間帯が限定されていますが、刑事事件の弁護人等であれば、夜間や休日を含め、いつでも面会・差し入れをすることができます。
警察署や拘置所の中にいて、不安な思いをされている方にとって、面会は、外部とつながることができる数少ない機会です。
弁護人が面会する際にご家族等からのメッセージなどをお伝えすることもできますので、なかなか面会に行けなくても、まずは弁護士にご相談ください。
(以下の記載はあくまで参考情報です。
警察署や拘置所によって運用は変わりますので、正確な情報は、各警察署や拘置所にお問い合わせください。)
1 警察署での一般面会・差し入れ
一般面会
面会できる日 |
平日のみ
面会受付時間 |
午前10時00分から午前11時30分まで
午後1時00分から午後4時30分まで
*注意ポイント
面会に行く当日の朝、警察署の留置係に電話をして、当日ご本人が警察署にいるかどうか確認しましょう。
警察署の中にいる方は、日によって、検察庁や裁判所に行っていることもあります。
この場合は警察署で面会をすることができません。
また、面会室が一つしかなく、事前に調整をしている警察署もあります。
多くの警察署では、当日の朝8時30分頃から電話を受け付けていますので、事前に連絡をするようにしましょう。
持ち物 |
身分証明書
*注意ポイント
お子さんも一緒に面会する場合、お子さんの身分証明書もお持ちください。
1日の面会可能人数 |
留置施設にいる方1名につき、1日1組まで面会できます。
1組3人まで入ることができます。(なお、大人の監護が必要な小さなお子さんの場合、人数にカウントされません)
面会時間 |
15分〜20分
面会の注意 |
弁護人以外の方が面会をする場合、警察官が面会に立会います。
事件に関する口裏合わせや証拠の隠滅(「罪証隠滅行為」と言います)、逃亡の手助けにつながるような会話をしていないか確認するためです。
警察官は、会話の内容をメモしていることもあります。
弁護方針で、「黙秘」(捜査機関の取調べに対して何も喋らず、情報を一切与えないこと)の方針を取っている場合、一般面会で事件のことを話してしまうと、その内容が捜査機関に漏れてしまい、「黙秘」をしている意味がなくなってしまうおそれがあります。
面会をする前に、できれば弁護人と連絡を取り、面会で話して良いこと・ダメなことを確認した方が良いと思われます。
差し入れ
差し入れできる日 |
平日のみ
ただし、郵送による差し入れはいつでもできます。
差し入れ受付時間 |
午前10時00分から午後0時00分まで
午後1時00分から午後5時00分まで
*注意ポイント
午後5時から留置施設内では夕食の時間となるため、午後5時少し前から留置係の警察官が不在となり、対応してもらえない場合があります。
午後5時直前には行かないようにした方が安全です。
差し入れができる主な物品 |
【現金】
・一度の差し入れにつき3万円まで(ただし、弁護人は制限なし)
【衣類】
・スウェット(上下)、半袖Tシャツ、半ズボン
・下着類
・靴下(くるぶし丈以上のものは不可)
*注意ポイント①
衣類は制限が特に厳しいため、事前に警察署に確認することをお勧めします。
<ルール例>
・紐が付いている衣類は紐を外さなければならず、紐を通していた穴も塞がなければならない。
・チャックやボタンが付いているものは差し入れ不可。
・長袖Tシャツや、伸縮性のある衣類(ヒートテック等のインナーや伸びる素材のジャージなど)も不可。
・ほつれる衣類(セーターなど)も差し入れ不可。
ただし、衣類の貸し出しはあり、冬季は重ね着をしたりすることができる。
*注意ポイント②
枚数制限はありません。
とはいえ、下着類等は1週間に1回は洗濯するため、5〜7枚あれば足りることが多いです。また、中では貸し出しも受けられます。
【日用品】
・ハンカチ(21cm×21cm以下)
・メガネ
・コンタクトレンズ(ただし、箱が開封されていない新品のもの)
*注意ポイント
タオルは差し入れ不可。
日用品のうち、タオル、ニベアクリーム、リップクリームなどは本人が自分で購入することはできます。
【その他】
・本、雑誌(1日につき5冊まで。郵送であれば制限はないが、本人が受け取れるのは1日につき5冊ずつ)
・写真
・手紙(シール等が付いているものは不可)
・ノート
・便箋
*注意ポイント
飲食物は差し入れ不可。
本は書き込みがあるものは差し入れ不可。また、カバーは差し入れることができません。
ペン類は差し入れ不可。中で借りることができます。
便箋、封筒、切手などは本人が自分で購入することができます。
2 東京拘置所での一般面会・差し入れ
一般面会
面会できる日 |
平日のみ
面会受付時間 |
午前8時30分から午前11時30分まで
午後0時30分から午後4時00分まで(面会時間は午後1時00分から)
*注意ポイント
拘置所にいる方が運動中だったり入浴中だったりする場合、受付後に待たされることがあります。
また、日によっては混み合うため、受付後なかなか面会の順番が回ってこないことがあります。
時間に余裕を持ってお越しください。
持ち物 |
身分証明書
*注意ポイント
お子さんも一緒に面会する場合、お子さんの身分証明書もお持ちください。
1日の面会可能人数 |
拘置所にいる方1名につき、1日1組まで面会できます。
1組3人まで入ることができます。(なお、就学前の乳幼児は人数にカウントされません)
面会時間 |
15分〜20分
面会の注意 |
弁護人以外の方が面会をする場合、拘置所職員が面会に立会います。
警察署で警察官が立ち会う場合と同様、事件に関する口裏合わせ(「罪証隠滅行為」と言います)や、逃亡の手助けにつながるような会話をしていないか確認するためです。
拘置所職員は、会話の内容をメモしています。
拘置所で面会をする場合も、できれば一度弁護人と連絡を取り、面会で話して良いこと・ダメなことを確認するのがベターです。
差し入れ
差し入れできる日 |
平日のみ
ただし、郵送による差し入れはいつでもできます
差し入れ受付時間 |
午前8時30分から午後0時まで
午後1時から午後3時30分まで
持ち物 |
印鑑
差し入れができる主な物品・1日に差し入れすることができる数量 |
【現金】
・金額に制限なし
【衣類】
(洋服)
・トレーニングウェア(上下) 2組
・ワイシャツ、ポロシャツ、Tシャツなど 3
・背広、ジャンバー 2組
・ズボン、半ズボン 1
・スカート 2
・セーター、カーディガン 2
・コート、オーバー(冬期のみ) 1
(下着)
・肌着(シャツ) 3
・肌着(パンツ) 3(女性は5)
・ブラジャー 2
・靴下(短いもののみ) 3
※注意ポイント
制限があるため、事前に拘置所に確認することをお勧めします。
<ルール例>
・35cm以上の紐がついたものは差し入れ不可
・フード、金属類のついたものは差し入れ不可
【寝具】
・敷布(160cm×260cm以内) 1
・毛布(150cm×210cm以内) 3
・パジャマ(上下) 2
※注意ポイント
布団は、拘置所内・拘置所側の差し入れ業者で購入して差し入れることもできます。
【書籍】
・単行本、雑誌類 3
・パンフレット 10
【日用品】
・タオル(100cm×45cm以内) 2
・ハンカチ(48cm×48cm以内) 1
・歯ブラシ 1
・石鹸箱 2
【その他】
・写真 10
差し入れ業者による差し入れ |
差し入れ業者で購入すれば、飲食物や日用品を差し入れることができます。
差し入れ業者は、両全会(拘置所内)・池田屋(拘置所の道路を挟んで向かい側)があります。
お菓子やフルーツの缶詰なども売っており、両全会と池田屋では、ラインナップにも少し違いがあります。
両全会の営業時間は、拘置所の差し入れ窓口の受付時間と同様です。
池田屋は、午後5時頃まで営業しています(午後5時前に閉まっていたこともありました)
3 最後に
身近な方が刑事事件に巻き込まれてしまったとき、何をしたら良いのか、ご不安な思いをされることと思います。
当事務所の弁護士は、刑事事件に特に力をいれて活動しています。
ご不安な時は、お気軽にご相談くださいませ。
(リンク)
初めてご相談される方へ
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当事務所の刑事事件専門サイト
https://keiji.kp-law.jp
2021年3月31日 3:23 PM カテゴリー: コラム