北パブコラム(第11回):裁判傍聴のすすめ(その1)

  1 裁判所に行くのはどんなとき?

  みなさんは裁判所に行ったことがあるでしょうか? 裁判所に行くというと、なにかトラブルが生じて弁護士と一緒に法廷にいく、というイメージがあるかもしれません。

  しかし、裁判所に行くのは、何も自分の事件を解決しに行く場合に限られません。有名事件の傍聴券を求めて大行列ができているのをニュースの映像などで見たことがある人も多いでしょう。裁判の公開の原則(憲法第82条)によって、誰でも裁判を傍聴できることになっているのです。

そこで、今回のコラムでは、東京・霞ヶ関の裁判所での裁判傍聴のご案内をしたいと思います。

 

2 裁判の公開の原則とは?

  そもそも、なぜ事件に関係のない人でも裁判を傍聴できることになっているのでしょうか。これは、逆から考えてみると分かりやすいと思います。つまり、もし、密室裁判のように裁判のプロセスが外からは見えないとすると、中で裁判官が何をしているのか分からず、非常に恐ろしい感じがします。裁判が原則として公開され、国民の監視にさらされることで裁判の公正が保たれ、世間一般の人たちは司法に対して信頼することができるのです。

 

3 東京地裁に行ってみよう

  さて、実際に裁判を見に行くには、規模の大きい霞ヶ関の東京地裁がおすすめです。事件数も多いですし、刑事事件・民事事件・行政事件問わず多種多様な事件を見ることができます。

  もっとも、霞ヶ関駅の地下道は複雑ですし、地上に出ても外見が同じような庁舎ばかりで道に迷う可能性が高いので、事前に裁判所のホームページなどでルートを調べてから行くことがおすすめです。それでも分からなくなったら、本格的に道に迷う前に駅員さんに道を聞きましょう。

  裁判所に着くと、入り口の前で有名事件目当てのマスコミが待機していたりしますが、特に気にすることなく入り口に向かいます。

入り口では警備員が立っており、空港のような機械を使った手荷物検査が行われています。危険物持ち込み防止のためだとか。混雑時は、中に入るだけで結構時間がかかります。ちなみに、手荷物検査をやっているのは東京と札幌だけのようです。

次回に続く

 

弁護士 中嶋 翼

2015年7月23日 3:04 PM  カテゴリー: コラム

この記事をシェアする

Facebook Twitter