北パブコラム(第18回):マンション生活でのトラブル
マンションで暮らしていると、ペットの鳴き声、子どもの足音などが気になることがあります。
ある程度は「おたがいさま」なのでしょうが、音の大きさや時間帯によっては、音を出している人に改善を求めるべき場合もあるかと思います。
おだやかなやり方として、管理会社に頼んで、「お子さんのいるご家庭は足音にお気を付けください。」などというチラシをマンションの全部の部屋のポストに投函してもらう方法がとられることがあるようです。
しかし、それでも相手に変化がなければ、やむなく訴訟などの法的手段を検討すべき場合もあるかもしれません。
実際に訴訟になった事例として、3~4歳の子どもが廊下を走ったり、とんだりはねたりするときの音が原因で下の部屋の住人に生じた精神的な損害について、損害賠償責任を認めたものがあります(東京地方裁判所平成19年10月3日判例タイムズ1263号297頁)。
判決では、音を出していた住人の対応の不誠実さや下の部屋の世帯の妻に不眠などの症状が生じていたことにもふれた上で、「住まい方や対応の不誠実さを考慮すると、本件音は、一般社会生活上原告が受忍すべき限度を超えるものであったというべき」と述べられています。
こうした事件では、実際に騒音があったことを証明するための証拠を集めることも重要です。
騒音の防止などを求めた訴訟において,証拠作成のため騒音を計測する専門の業者に支払った費用や報酬につき、その事案においては不法行為の立証のために必要不可欠であったとして騒音を出していた側にその支払義務を認めた裁判例もあります(東京地方裁判所平成24年3月15日LEX/DB25482551)。
マンション生活でのトラブルは、生活に密着したものです。
お悩みの場合は、解決までの毎日のストレスをなるべく小さくするという意味でも、早めの段階で弁護士にご相談されることが望ましいでしょう。
当事務所では、ホームページでご案内のとおり、所内相談の予約を受け付けています。お気軽にご相談ください。
2016年3月9日 2:29 PM カテゴリー: コラム