「北パブを目指すあなたへ」~新人弁護士に聞いてみた2

今日は新人インタビュー企画第2弾として、入所1年目の弁護士3人にインタビューをしてみました!

簡単に自己紹介をお願いします。

齋藤(写真右)
77期の齋藤賢(さいとうけん)です。
法学部出身ではなく、学部卒業後は、東京大学大学院で社会学を専攻していました。
京都大学ロースクールを修了後、水戸で司法修習を受けました。
高校も水戸だったので、地元に戻ったような感覚でしたね。
今日はよろしくお願いします。

矢野(写真中央)
77期の矢野柚香(やのゆずか)です。
一橋大学ロースクール出身で、修習地は長崎でした。
大学時代から刑事弁護に興味があり、北パブのエクスターンに参加して、実際に刑事弁護の世界を見ることができました。
今日は私からも北パブの魅力をお伝え出来たらと思います。
よろしくお願いします。

矢内(写真左)
77期の矢内太道(やないたかみち)です。
法政大学法学部から東京大学ロースクールに進学しました。
修習は名古屋で、多くの先生方の事件を間近で見る機会に恵まれました。
よろしくお願いします。

※各弁護士の紹介ページはこちら
https://www.kp-law.jp/office/member.php

今日はよろしくお願いします。

みなさんはどうして弁護士を目指したのですか?

矢内:
弁護士を意識したのは高校生のときです。最初は、職業調べの授業で、裁判官の法服の色が黒なのは何者にも染まらないという意味があると聞いて、法曹という仕事に憧れを持ちました。
その後大学2年のときには、刑法の先生に「ぜひ裁判傍聴したほうがいいよ」と言われて横浜地裁へ行き、たまたま犯人性を否認している事件の裁判員裁判を見ました。そのとき、弁護人が毅然と異議を述べる姿を見て「かっこいい」と思い、弁護士を志すようになりました。
その後ロースクールに進学して実務家教員の先生の話を聞く機会がありました。企業法務の先生方の話も興味深かったのですが、自分にはあまりピンとこなくて…。一方で刑事弁護の先生たちの話は、具体的で面白く、人の心に寄り添う内容が多く、心を動かされました。

齋藤:
もともとは社会学者を目指していたんです。社会の仕組みや制度を研究するうちに、「個人が国や地方公共団体と対等に立ち向かえる仕事」として弁護士という職業に惹かれました。
大学院時代は社会学の観点から本を執筆したり、発信活動をしていました。もっとも、広く薄く社会を変えていくだけではなく、いま・ここで困っている個人を助けることができたらいいと思うようになりました。個人の権利を守りながら、国の不当な行為と戦うことができる――その点に弁護士という職業の魅力を感じました。

※齋藤賢弁護士の著書:

・『知らないと恥をかく「性」の新常識』 (光文社新書) 

矢野:
中学・高校の頃から「目の前の困っている人を助けたい」という気持ちがありました。大学で法学部に進学し、刑事訴訟法のゼミに入りました。あるとき、刑務所見学に行って、作業中の受刑者を見たとき「本当に普通の人だ」と感じたんです。
村木厚子さんの郵便不正事件の本を読んだときも、身体拘束下の孤独さを知り、弁護人が“社会と被疑者をつなぐ窓”のような存在であることに気づきました。その役割に深く共感して弁護士を志すことにしました。
もともと「罪を犯してしまった人が社会に戻るために何ができるのか」という視点に関心を持っていて、修習中には、長崎の「南高愛隣会」という更生支援団体を訪ね、利用者の方が牛の世話をしているところや、出所者とその家族の面談を見学したりして、裁判の外でも弁護士にできる支援の形があることを実感しました。

たくさんの事務所があるなか北パブを選んだ理由は?

矢野:
大学の先生から北パブの存在を教えてもらいました。とある事件の記者会見に大谷恭子先生(元所長)が出ていたことが印象的で、出身校のOGも所員にいるよと聞いて、どんな事務所なんだろうと興味を持ちました。実際にエクスターンで北パブに来てみると、刑事事件を扱っているのに重苦しさがなく、みんなが楽しそうに議論していて明るく賑やかな事務所だなと思いました。刑事事件を前向きに取り組む姿勢が印象的でした。刑事だけでなく、民事事件や家事事件、債務整理の事件にも積極的に取り組んでいて、公設事務所としての活動にも魅力を感じました。

矢内:
私はロースクール2年目のときに、Twitter(現X)で「刑事事件に興味があるなら北パブがおすすめ」という投稿を見かけて北パブのことを知りました。実務検に参加して感じたのは、弁護士同士の距離が本当に近いことです。先輩・後輩の垣根がなく、とても相談しやすい雰囲気だったのが印象的でした。

※実務検:刑事実務検討会(2か月に1回程度開催している刑事弁護実務に関する勉強会)

齋藤:
正直に言うと、最初は北パブのことをまったく知りませんでした(笑)。合格発表が11月で、就活の時間もなく、いろんな先生や友人に聞いたら皆が「北パブはいい事務所だ」と言うので、直感で応募しました。若い弁護士が多く、エネルギーのある雰囲気に惹かれました。

新人弁護士として実際に働いてみて率直な感想をお願いします!

齋藤:
想像していた通り、刑事事件に多く携われています。国選・私選ともに経験でき、第一審だけではなく、控訴審や上告審ができたりと新しい学びも多いです。先輩たちが刑事弁護に真剣に取り組んでいる姿を見ると、刺激になります。

矢野:
とても楽しく毎日を過ごせています!「明るくて楽しい職場」という印象は、入所してからもそのままです。期の近い先輩も多く、困ったことがあればすぐ相談できる環境が整っています。初めての事件でも孤立せずに取り組めました。

矢内:
刑事事件だけでなく、離婚・相続・労働・破産・後見など、想像以上に幅広い案件を扱っていることに驚きました。刑事だけではなく多様な分野を経験できるのが北パブの強みだと思います。

印象に残っている事件はありますか?

矢野:
初めての国選事件で、接見に行ったら「もう話したくないから帰ってください」と言われてしまったことが印象的でした。初回接見の重要性は知っていますし、色々やらなければならないことがあるのに何もできず、帰り道には頭が真っ白になってしまいました。想定外で落ち込みましたが、先輩に相談し、今度は朝イチで会いに行ったんです。そうしたら無事話をすることができて、結果的に10日後、勾留延長されずに釈放され、その瞬間に立ち会うことができました。あのとき「弁護人としての存在意義」を強く感じました。

矢内:
僕も最初の国選事件です。依頼者が窃盗で逮捕されていました。職場に連絡して必要書類を集め、母親に身元引受けの準備をしてもらいました。準抗告をしたところ認められ、その日のうちに釈放されました。釈放されますよということを面会で伝えたらとても喜んでくれて「アクリル板がなければ抱きしめたいです」と言われて、胸が熱くなりました。

齋藤:
執行猶予中の被疑者を担当した事件ですね。当番弁護の依頼があって午前中にすぐ会いに行きました。普通なら起訴されてしまう事件で、本人も投げやりになっていたんです。でも、取調べ対応について熱心に説明をしたり、体を張って取調べを拒否していたら、だんだんと本人も理解をしてくれて、私の方針に納得してくれました。最終的に不起訴になって、粘り強く寄り添うことの大切さを痛感しました。

1年目だからこそ苦労をしたことはありますか?

齋藤:
新人だとかベテランだとかいう弁護士側の事情は、依頼者にとっては関係ありません。「自分は1人の弁護士だ」というスタンスで事件に臨んでいます。その心意気が伝わるのか、1年目だからこその苦労みたいなものは特にありません。

矢野:
私も若いからとか新人だからという理由で苦労したことはないですね。
警察署に接見に行った際に、弁護士だと思われなかったことはあります(笑)

矢内:
刑事事件の依頼者に弁護士の力を疑われてしまうことはありました。
他の弁護士はこう言っているけど、あなたがこう言っているのは1年目だからじゃないんですかとか、年齢を聞かれて、さすがに1年目の弁護士に依頼をするのはちょっと…と言われたこともありました。でも逆に1年目だからこそ、機動力がありますと答えて、その日中に出張して必要な資料の準備をしたりしたことがありました。

仕事の進め方で気を付けていることはありますか?

齋藤:
刑事事件だけでなくたくさんの事件があって忙しいときもありますが、勉強することはやめないようにしています。
事件を受けたときに、関連書籍や論文を読むようにしています。
少しでも興味があったら研修や勉強会に参加するようにもしています。
依頼者には、先端的な弁護活動をご提供できるよう心がけています。

矢野:
どんな事件でも「報連相」はしっかりしようと思って実践しています。
また、相談に入る前の段階で、自分ひとりだけで対応するならどうするかを考えて準備をしたりしています。

矢内:
今日1日これをやろうと決めていても、緊急の仕事が入ってしまうこともあります。
そういう時は付箋でタスク管理をして、漏れがないようにしています。

何か仕事での愛用品などはありますか。

齋藤:
思考整理のためにホワイトボードや付箋を使うようにしています。
必要に応じてプライバシーに配慮しながらAIとかも使っています。
アナログもA Iも活用して、より良い弁護活動がご提供できるように工夫しています。

矢野:
ホワイトボードに近いですが、私はペンで紙に書きながら考えることが多いですね。
白紙のルーズリーフとかに、よくわからないことをよくわからないと書いたりしています。
書くと頭が整理できたりするので、今でも続けています。

矢内:
私は物ではないですが、リーガルライブラリーを使って、書籍を読むようにしています。
裁判例とかは事務所で契約しているTKCや判例秘書などを無料で使えるので、色々調べるようにしています。

指導体制や事務所の雰囲気はどうでしょうか?

矢内:
毎年新人1人につき1人または2人の指導担当弁護士がついて、6か月は一緒に事件や相談を全て対応してくれます。今年は2人の指導担当弁護士がついてくれました。
それぞれやり方が違うので迷うこともありますが、色んな仕事の進め方を見られるのは大きな学びです。

矢野:
最初は担当弁護士と一緒に相談に入りましたが、次第に一緒に事件を担当しながらも、事件全体を任せてもらえるようになりました。任されながらも、後ろでフォローしてくれる安心感があってよかったです。

齋藤:
指導担当の先生がつく体制はとても良いです。OJTの中で経験を積めますし、ノウハウの共有も今後さらに進めていけると思います。

ワークライフバランスはとれていますか?

矢野:
実家が近いので、土日に帰って犬や猫と過ごすことも多いです。思っていたより自由に休めるので、気持ちを切り替えながら働けています。

矢内:
自炊することが多く、休日はレシピを調べて料理しています。最近はボードゲームのお店に行くのも楽しみです。オンオフの切り替えが大事だと思っています。

齋藤:
僕はむしろ土日に刑事事件の現地調査や接見の予定を入れることがあります。その代わりに平日に休みを取るなど、自分で調整しています。自分で働き方を調整できるのが北パブの良いところです。

今後はどのような分野で活躍したいですか?

矢内:
依頼者の相談に幅広く対応できる「オールラウンドな弁護士」になりたいです。将来的には行政事件や医療、知的財産など専門性のある分野にも挑戦したいです。

矢野:
「困っている人を助けたい」という初心を忘れずにいたいです。刑事弁護を軸に、依頼者の人生に寄り添う弁護士でありたいと思っています。

齋藤:
僕はどちらかというとスペシャリスト志向です。「この分野なら齋藤」と思ってもらえるような弁護士を目指しています。そのために日々、刑事弁護の研鑽を積んでいますし、「人質司法に終止符を!訴訟」という公共訴訟にも参加しています。

リンク(外部)

https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000155

最後に、北パブを志望する方へメッセージをお願いします!

矢内:
北パブは、刑事事件に全力で取り組めるだけでなく、民事や行政など他の分野にも挑戦できます。自分の興味を伸ばしたい人にもぴったりの環境です。

齋藤:
学部・ロースクールでは、基礎をしっかり勉強しましょう!そして、ぜひ一緒に働きましょう!

矢野:
少しでも気になったら、ぜひ一度説明会や実務検に来てみてください。私がいいなと思った雰囲気の良さやチームワークの温かさを実感できると思います。

ありがとうございました!

(聞き手:酒田芳人・國府田豊)