逮捕されたら (弁護士 伊藤荘二郎)

突然逮捕されたら、どうしますか。

 

逮捕されても、その日のうちに釈放されることはあります。しかし、そのまま10日間、20日間と留置場から出してもらえないことも、珍しくありません。その間、家には戻れず、職場や学校にも行けません。外部と直接連絡をとることもできません。いったん逮捕されたら、生活が破壊されてしまうかもしれないのです。

 

では、早く釈放されるためには、どうすればいいのでしょうか。次の2つのケースが参考になります。

 

Aさん(50代女性、主婦)は、自宅で老親の介護をしていましたが、ストレスから万引きをしてしまい、逮捕されました。その日の夜、Aさんのご家族が、弁護士に相談しました。

弁護士は、翌朝Aさんに面会して、誓約書を作りました。日中にAさんのご家族と会い、釈放後の生活の相談をして、身元引受書を作りました。被害店と連絡をとり、ご家族から預かったお金で、被害品を買い取りました。これらの活動を書類にまとめて裁判所に提出すると、その日のうちにAさんは釈放され、ご家族のもとへ帰ることができました。

 

Bさん(30代男性、会社員)は、SNSを通じて知り合った相手を暴行した容疑で逮捕されましたが、暴行はしていないと容疑を否認しました。Bさんは会社で大きなプロジェクトを任されており、何日も仕事に行けないと大変な損害が生じてしまいます。

焦ったBさんは、すぐに当番弁護士を呼びました。数時間後、弁護士が警察署を訪れて、Bさんと面会し、詳しい経緯を聞き取りました。その後、弁護士はご家族と会って、Bさんと相手の接触を防ぐために何ができるかを相談しました。会社関係者とも連絡をとり、Bさんの仕事や生活をどうサポートするか相談しました。これらの活動を裁判所に報告したところ、Bさんは釈放され、職場に復帰しました。

 

病気になっても、早く治療すれば早く治ります。刑事事件も同じです。逮捕されても、早く対処すれば早く釈放される可能性が高くなります。

 

もしあなたが逮捕されたら、すぐに弁護士を呼んでください。

もしご家族が逮捕されたら、すぐに弁護士に相談してください。

以上

2019年9月27日 4:31 PM  カテゴリー: コラム

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