北パブコラム(第10回):「争族」にならないために。

1 4月25日に足立区無料相談会が開かれました!
  当事務所では、毎年足立区在住・在勤の方を対象に、足立区無料相談会を行っております。今年は、4月25日に56名の方のご相談をお受けしました。
(当事務所では、7月4日に荒川区在住・在勤の方を対象にした無料相談会を、11月28日には、弁護士以外の多くの専門家の方々と合同の無料相談会も開催しています。)
  今回の無料相談会では、相続・遺言や離婚のご相談が半数以上をしめました。
  そこで、本コラムでは、遺言について、少しご説明してみます。
 
2 「争族」にならないために。
  弁護士が遺産分割のご相談を受ける時には、すでに「相続」=「争族」になってしまっているのが通常です。家庭裁判所に遺産分割の調停をおこしてから、1年以上も話がまとまらない、話がまとまっても、お互い金輪際顔も見たくないということも少なくありません。
  しかし、60代、70代になった兄弟がいがみ合ったり、おじ・おばと姪・甥が争ったりという事態を見ていると、亡くなったご本人は、こんな事態を望んでいなかったのではと思うこともしばしばです。
 
3 残される相続人のために、遺言書を作りませんか。
  「争族」になってしまう多くの場合は、遺言書が作成されていません。そうすると、亡くなった方の遺志が分からないため、「お父さんは、生前私に○○の土地を譲ると言っていた。」とか、「亡くなるまでお母さんの生活を助けてきたのは私だから、他の兄弟は遺産をもらう資格がない。」といったことになってしまいます。  
  そこで、残される相続人が無駄に争わなくて良いように、自分の遺志を「遺言」として残しておくことを、おすすめします。
  通常よく利用される「遺言」には、2つの方法があります。一つは、自分の手で作成しておく遺言です。「自筆証書遺言・・じひつしょうしょいごん」と言います(法律では、「ゆいごん」ではなく、なぜか「いごん」と言います。)。この方法は、思い立ったら自分で簡単に作成できる、費用も特にかからないというメリットがあります。しかし、日付を記載しなければならないとか氏名を自署しなければならないとか、色々法律上の要件があり、いざ亡くなって遺言書が見つかったら無効だったと言うことになりかねないというデメリットがあります。例えば、日付について、何となく「平成27年5月吉日」と書いてしまったり、自分は字が下手だからと全文をパソコンで作成したりすると無効になってしまいます。
  もう一つの方法は、公証役場で公証人に作ってもらう遺言です。「公正証書遺言・・・こうせいしょうしょいごん」と言います。この遺言は、公証人が要件を確認して作ってくれるので、要件が欠けていることを理由に無効となる危険がありませんし、公証人が保管してくれるので紛失してしまう心配もありません。後から無効になる危険が少ないというのが大きなメリットと言えます。他方、公正証書遺言をつくるのに印鑑証明書など資料を用意するなど手間がかかり、作成のために数万円の費用もかかるなどのデメリットもあります。
  いずれの方法の場合も、弁護士が遺言の内容についてご相談にのったり、案文を作成したりというお手伝いをすることができます。  
 
4 暮らしの法律ミニ講座(無料相談つき)を行います。
  当事務所では、ご相談の多い遺言や相続について、ミニ講座を企画しています。第1回は、6月20日(土)13時から、「相続」についてのミニ講座を予定しています。講師は、当事務所所長 大谷恭子弁護士、場所は、北千住駅近くの当事務所で行います。 1時間ほどのミニ講座のあと、ご希望の方から無料法律相談もお受けする予定です。いま話題の「終活」についてもふれる予定です。
  暮らしの法律ミニ講座は、7月11日(土)13時から「遺言」について、9月26日(土)13時から「後見」についてとその後も予定しております。当日飛び込みも可能ですので、お買い物のついでに寄ってみてください。

 

弁護士 鈴木 加奈子

 

2015年6月5日 9:36 AM  カテゴリー: コラム

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