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奈良県大学人権教育協議会 記念講演会にて講演しました

5月9日、大谷恭子弁護士が、奈良県大学人権教育協議会記念講演会にて「教育における差別の禁止とインクルーシブ教育-障害者差別解消法における内閣府「基本方針」とガイドラインから-」を演題に講演いたしました。

2015年5月11日 9:46 AM  カテゴリー: 講演、執筆等

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当事務所がこれまでに獲得した無罪判決

2004年に当事務所が設立されて以降、2014年末までの約10年間で当事務所の所属弁護士が当事務所所属中に無罪判決を獲得した刑事事件は合計12件あります。審級ごとの内訳は下記のとおりです。
上告審(最高裁)         2件
控訴審(高裁)           1件
一審(地裁・簡裁)         8件
再審(地裁)            1件
 
 ご存知の方が多いかもしれませんが、日本の刑事司法においては、検察官が起訴した事件の99%以上は有罪だと言われています。経験年数数十年でも無罪判決を獲得したことがない弁護士が大多数ですから、設立から10年の間に12件の無罪判決というのは、決して少ない数ではありません。
 
 無罪判決が出るような事件は、誰が担当しても無罪となるかというと、そうではありません。なぜ、無罪判決が簡単に出ないのか。それは、そもそも検察官が起訴した事件の99%以上が有罪とされる理由について考えてみる必要があります。検察官は、捜査を通じて集めた膨大な証拠に基づき、有罪にできるかどうかを十分に検討します。その上で、有罪にできると判断した事件について、起訴するのです。本来は、裁判において有罪か否かを吟味すべきとは思いますが、少なくとも日本の刑事司法においては、このような運用がなされている結果として、有罪率99%以上と言われているのです。
 次に、では、なぜ、検察官がそのように吟味したにも関わらず、無罪判決が出るのか。それは色々な理由が考えられます。一つは、検察官は、いかに公益の代表者とはいえ、捜査機関であり中立的な立場にあるわけではないため、思い込み等により証拠の意味を取り違えている、という可能性があります。その他にも、検察官による吟味が不十分な場合、違法な捜査が行われたことによってせっかく集めた証拠を裁判所が採用できない場合、弁護人が捜査機関が発見していない有利な証人や証拠を発見した場合等様々な理由が考えられます。ただし、先ほどお話ししたとおり、基本的には検察官が膨大な証拠を十分に吟味し、「有罪」と判断していることから、その中から無罪である根拠を発見するのは、決して簡単ではありません。
 
では、無罪である根拠を発見し、その根拠を適切な証拠の形で提出すると共に効果的な主張をして、裁判官や裁判員に対し、無罪であると理解してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。
そのためには、刑事訴訟実務ついての知識・経験、刑法や刑事訴訟法等関係法令の調査と理解、裁判例の調査、証拠の検討や事件現場における検証、被疑者・被告人の方々との打合せ、裁判における証人尋問や弁論などの技術等、様々な弁護人の能力及び努力の集積が必要です。
 当事務所は、刑事対応型公設事務所として、各所属弁護士が様々な刑事事件を多数取り扱ってきました。他方で、弁護士会での研修、私的団体における刑事弁護実務の勉強会等にも積極的に参加すると共に、事務所内においても刑事弁護実務の勉強会を定期的に行っています。そして、実際に刑事事件を担当する場合、時には1人ではなく2人以上の弁護士が共同して弁護活動を行うなどし、独善に陥ることなく、また、複雑な事案等では役割分担をすることなどを通じて、被疑者・被告人の方々にとって最善の弁護活動となるよう努力して参りました。
 
 無罪判決は、1つには事件とのめぐり合わせではありますが、そのめぐり合った無罪となるべき事件に対し、最大限の弁護活動を行ってきたことが、12件という件数につながっているものと自負しています。

 

 弁護士 白井 徹
 

2015年5月8日 3:00 PM  カテゴリー: 事例報告

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準抗告が認められました

東京地方裁判所において、強制わいせつ未遂の被疑事実で逮捕・勾留されていた事件について、勾留決定に対する準抗告(異議)が認められ、釈放されました。(担当弁護士:菊地信吾)

2015年4月30日 2:45 PM  カテゴリー: 事例報告

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北パブコラム(第8回):「認定落ち」事件について

 
■「認定落ち」って?
刑事事件の関係者では「落ちる」という言葉は、いろいろな意味で使われています。
有名な「半落ち」という小説があります。横山秀夫さんが書いた小説です。ここでは「落ちる」=「自供する」という意味で使われています。
「赤落ち」という言い方もあります。これは「刑務所に行く」という意味で「落ちる」という言葉が使われています。
では「認定落ち」というのはどういう意味でしょうか?
簡単に言いますと、「検察官が主張した事実が認定できなかった」、つまり、弁護側の主張が判決で一部でも認められた、ということを言います。
 

■「認定落ち」とは、具体的にどういう場合か?
例えば殺人罪で起訴された事件で、「殺意」はなかった、という認定(判決)になる場合があります。殺意がなかったので「殺人罪」から「傷害致死罪」になる場合等も「認定落ち」です。
蹴ったり殴ったりして怪我をさせた、という傷害の事件で、「僕は殴ったことは間違いありませんが、蹴ったりはしていません」という場合はどうでしょうか?
そのような主張が判決で認められて、「殴ったが蹴ってはいない」とされた場合も、「認定落ち」と言われます。
 

■やったことの責任は取るべき。でも、やったこと以上の責任は取らせるべきではない。
私たちが刑事事件の弁護人となった場合、依頼者である被疑者・被告人の方たちの言い分を通すために、全力を尽くします。
「確かに人を殴ってしまった、でも…」、「確かに物を盗んでしまった、でも…」、「確かに人を殺してしまった、でも…」。
こんな場合は考えられませんか?
実際に、犯罪を犯してしまう人はそう多くはないと思います。でも皆さんの生活の中でみたらどうでしょうか。
奥さんと「今日は早く帰る」という約束を破って、お酒を飲んで帰宅時間が遅くなってしまった。「でも、社長に誘われたから仕方なかったんだよ…。できるだけ早く帰ろうと思って、11時には帰ってきたじゃないか!」とか、そういう場合はあると思います。
私たちは、依頼者が持っているこの「でも…」という事情を大切にしたいと思っています。
やってしまったことの責任は取るべきでしょう。でも、やったこと以上に責任を取らされることも、おかしなことではないでしょうか。
 
■実際にどのような場合があるのでしょうか?
私自身がこれまで獲得できた「認定落ち」判決で、3つ例を挙げます。
故意に人を殺したとして強盗殺人の罪に問われて裁判になった人について、「強盗致死」に「認定落ち」した事件がありました。殺意がなかったという結論でした。
また、裁判で殺人未遂罪と、殺人のための道具を作った罪に問われた事件で、殺人未遂は認められるけど、その道具作成の責任は認められない、という「認定落ち」事件もありました。
電車内で眠っている女性のスカートをめくって、さらに太ももを触ったとして罪に問われた事件では、スカートをめくったことは間違いないけれど、太ももは触っていない、と認められて「認定落ち」した事件もありました。
 

*  *  *
私たちの事務所に所属し、またかつて所属していた弁護士が獲得してきた「認定落ち判決」は、無罪判決の数よりも多く、たくさんの事例があります。
もちろん、「認定落ち」はしたけれど、依頼者の言い分が100%認められた結果ではない、ということもあります。言い分の一部は認められたけど、不十分だった、ということです。
でも、仮に判決では一部しか認められないとしても、依頼者の言い分を裁判所に認めてもらうために、私たちは全力を尽くします。
その結果、得られた「認定落ち」判決は、無罪判決と同様、私たちの誇りでもあります。
今後は「認定落ち」判決についても、どのような事件があったか、できる限りご紹介していきたいと思っています。
 
ご期待ください。
 

弁護士 髙橋俊彦

2015年4月30日 1:57 PM  カテゴリー: コラム

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就労支援事業所で出前講座を行いました

4月20日,山田弁護士が,一般社団法人東京TSネット(地域でトラブルに巻き込まれた障がいのある方を支援するために,福祉専門職,弁護士,医師などが集まって立ち上げた団体)の活動の一環として,「いろいろなトラブルへの対処法を知ろう」をテーマに,江戸川区就労支援事業所naturaにおいて,利用者の方向けに講演を行いました。
講演では,「就労におけるトラブル」「消費者トラブル」「刑事事件になってしまったら」などについてお話ししました。

2015年4月30日 1:35 PM  カテゴリー: 講演、執筆等

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北パブコラム(第7回):釈放に向けた弁護活動

 家族が逮捕されてしまった。そんなとき、どうしますか?
 弁護士に依頼しよう、と考える方は多いと思います。
 でも、依頼を受けた弁護士が、実際にどんなことをしているかご存じでしょうか。
 今回のコラムでは、刑事事件で、弁護士がどんなことをしているのか、その一例を、実際の活動も踏まえてご紹介しようと思います。
 依頼を受けた弁護士がまず考えることは、一日でも早く釈放を実現しようということです。その方法には、手続の段階に応じて様々な種類があります。
 まず、逮捕直後の場合です。この場合、長期間の身体拘束(勾留といいます)をしないように、検察官や裁判官に意見書を提出することが重要です。そのためには、短期間のうちに、説得材料として例えば示談交渉をしたり、身元引受書といった書類を整えたりする必要があります。最近では、今月13日、中嶋翼弁護士が、東京都条例違反事件について、検察官に勾留請求しないよう意見書を提出し、釈放を獲得しました。また、今月17日には小川弘義弁護士が,東京都条例違反事件について,先月末には、永里桂太郎弁護士が、無期又は3年以上の懲役という刑が定められているとても重い類型の事件について、それぞれ裁判官に対し勾留請求を却下するよう意見書を提出し、釈放を獲得しました。
 次に、勾留されてしまった場合です。勾留されてしまっても、不服を申し立てることができ、裁判所に認められれば、釈放されることになります。いったん勾留されてしまったのを覆そうとするわけですから、しっかりとした準備が必要です。最近では、先月13日に菊地信吾弁護士が、先月末に遠藤千尋弁護士が、今月13日に平工信鷹弁護士山田恵太弁護士が、それぞれこの不服申立を行って、釈放を獲得しています。
 もちろん、全ての事件で、こうした活動が成功するわけではありません。統計によれば、勾留請求の却下率は全国平均でたったの2%程度ですから、一般論としては、狭き門だといっても過言では無いでしょう。けれど、我々は、諦めず、粘り強く、成果が出るよう日々情熱をもって努力しています。特に、当事務所は、刑事事件を積極的に受任する事務所としては、所属弁護士の人数が多いのが特徴です。この特長を生かし、事件に応じて、弁護士が連携し、相談し、あるいはチームを組み、最善の弁護活動をご提供したいと考えています。
 このコラムでは書き切れない活動もありますが、当事務所のホームページには、詳細な説明も掲載されています。よろしければご覧下さい。

北千住パブリック法律事務所所長
弁護士 大 谷 恭 子

 

2015年4月24日 1:30 PM  カテゴリー: コラム

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