福祉関係者との連携(弁護士 桑原慶)

1 日々の支援の中で

「支援している方が法的な問題を抱えているが,どこに相談すればいいか分からない。」

「福祉サービスでは解決できないことについて,法律でどうにかできないか。」

このような思いを抱えている福祉関係の方はいないでしょうか?

電話一本で相談できる弁護士がいれば,このような疑問はすぐに解消できるかもしれません。

2 弁護士につながることの大切さ

弁護士の人数が増えたため,以前に比べれば弁護士に相談する窓口が増えました。

しかし,まだまだ弁護士への相談の敷居は高いようで,弁護士の相談を受けられない方も多くいらっしゃいます。この敷居をなるべく低くして(できれば敷居をなくして),どのような方でも弁護士の相談を受けられるようになるのが理想です。

敷居が高いと感じられる理由の一つとして,「こんなことを弁護士に聞いてもいいのだろうかと考えていた。」と話されることが良くあります。

典型的な法律問題ではない場合に,弁護士に聞いたら失礼なのではないかと思われる方がいらっしゃいます。しかし,そのような心配は無用です。これが法律問題なのかということや法律で解決できるものなのかについても,弁護士に相談できますし,ぜひ相談していただきたい事柄です。結果として,法律では解決できないことかもしれません。

しかし,それが分かっただけでも,次に進むことができることがありますし,ましてや弁護士がそれで気分を害することはありません。それよりも,法律で解決できたかもしれないことを,取り逃してしまうことを防ぐ方が大切です。

特に,福祉関係者は,利用者への支援を通じて,利用者が抱える問題にいち早く気づくことができると思います。その時に,気軽に相談できる弁護士がいれば,問題解決につながるかもしれません。また,法律問題を弁護士が解決することによって,その後の支援もスムーズに行うことができると思います。

3 当事務所での取り組み

当事務所では,ちょっとしたことを弁護士に気軽に相談できるように,いろいろな取り組みを行っています。

※ 具体的な内容については,下記のページもご参照ください

福祉関係の方へ | 弁護士法人北千住パブリック法律事務所 (kp-law.jp)

① 近隣の福祉関係者からの相談を無料で受け付けています。この相談は,対面でもできますし,電話でもできます。場合によっては,支援者が行うケース会議に参加することもできます。

② 本人への法律相談が必要な場合には,法テラスの制度を利用して無料で法律相談を行います。本人が病院に入院していたり,施設に入所したりしていて,事務所までお越しいただけない場合でも,病院や施設などで出張相談を行うこともできます。

※ 法テラスの相談制度については下記のコラムもご参照ください。

北千住パブリックで、「法テラス相談」できます(弁護士 鈴木加奈子) | 北千住パブリック (kp-law.jp)

③ 福祉関係者の方々に弁護士の利用方法を知っていただくために,講演・講義も行っています。借金の整理や離婚,刑事裁判などの法律問題をテーマとすることも可能です。

4 支援者として双方向で連携しましょう

弁護士が,福祉関係者と連携することで,法律問題を早期に発見することができたり,法律問題が埋もれてしまうことを防いだりすることができます。

また,弁護士と福祉関係者が役割分担を行うことで,それぞれがやるべきことに集中でき,問題解決につなげることができます。

逆に,弁護士が法律では解決できない問題を抱えた依頼者がいたときには,福祉関係の皆様へ相談させていただくこともあります。連携は,一方向ではなく,双方向で行わなければ意味がありません。

広い意味での本人の支援者として,福祉関係の皆様と連携して行きたいと考えています。皆様からのご連絡をお待ちしております。

以上

2021年3月26日 9:50 AM  カテゴリー: コラム

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